2008年04月15日
『障害児と共に学ぶ』アリソン・ヴァーハイマー著
紫雲山頂の桜並木から見た瀬戸内海
とっても、美しかった
《人権問題としてのインクルージョン》
★障害者は普通の制度や地域社会から排除されるべきではないし、
その障害を理由に分離されるべきでもない。
これは基本的人権の問題なのである。
これまで障害をもっている子どもと大人に対する分離が続いてきた。
しかし、人権や性の違いを根拠にした強制的な分離をもはや許容するこのない社会では、
こうした分離は全く受け入れられるものではない。
分離はすべての人々に影響をあたえるものであり、
だからこそ、すべての人間の問題として
理解されなければならないのである。
★障害を持っていない子どもたちは、
障害を持った子どもたちから分離されることで
ハンディキャップを与えられているのである。
したがって、われわれすべてが、
分離がもたらす偏見の結果に悩んでいるのである。
★人権侵害であるのに、
心地よい言葉でそれを隠してしまうという、
憂うつにさせられる傾向が見られる。
「強制的な分離」の現実を認めるよりも
「特別」教育について語るほうが容易なのである。
われわれはすべて「特別」と感じるにのを好むのである。
「特別」という言葉は私たちの気分を良くするが、
障害児の家族が証言するように、
いわゆる「特別教育」は排除されることの痛みと深く関わっている。
障害を持つ人々と持たない人々との
日常的な関係が否定されるということは、
不健全なことであり、受け入れがたいものである。
インクルージョンというのは、
違いを理由にして分離されてはならないという
基本的人権の問題である。
その認識を誤ると、
人権認識に欠ける慈善や善意の行為として、
非障害者が障害を持っている人々を
「自分たちの世界」に招き入れてあげる、
という状況が生み出されてしまうのである。
明石書店 700円
Posted by 会員
at 01:26
│Comments(0)