2011年01月05日

二つの「社説」・・・マスコミの現状かなあ~

二つの「社説」・・・マスコミの現状かなあ~


メール届いています。

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障害者権利条約批准・インクルーシブ教育推進ネットワークML
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 讀賣の大晦日の社説のことが話題となっていますが、これとは正反対の主張の社説が、昨年11月21日の東京新聞に掲載されています。
 関東地方の方は、先刻ご承知かもしれませんけど。
 実は、これを書かれた記者さんと、12月に東京に行った際に一緒にお酒を飲む機会に恵まれました。なかなか愉快な方でした。
 このときに初めて知ったのですが、東京新聞って、中日新聞の一部なんですってね。いただいた名刺にも、東京新聞と中日新聞の両方の社名が
印刷し てありました。

 下にテキストで貼り付けますので、ぜひ、讀賣のと対比してお読みください。

《東京新聞 2010年11月21日社説》

●障害児教育 共に学ぶ理念の実現を●

2010年11月21日

 障害のある子もない子も共に学び育つ。日本が批准を目指す共生社会をうたった障害者権利条約はそんな教育を求めている。だが、中央教育審
議会は 理念には賛同しつつも実現には後ろ向きだ。

 「メイちゃん、カレーはこっちの色だよ」。男の子が茶色のクレヨンを差し出した。でも彼女は青や赤でカラフルなカレーライスを仕上げて楽
しそ う。「はい、黒板に集中」と先生が一声。うつむいて教材をいじっている彼女に、他の男の子が「メイちゃん、黒板はあっち」と促した。

 メイちゃんは東京都内の区立小学校二年生。障害のない子の通常学級で学ぶダウン症児だ。周りに支えられて育ち、周りはいたわりの心を培
う。教室 はそんな雰囲気だ。障害児に理解のあるこのベテラン先生は「いろんな子がいてこそ子どもは成長する」と言う。

 だがこのケースは例外的だ。

 障害のある子を盲・ろう・養護学校へ機械的に振り分ける形をやめて、障害からくる多様なニーズに細やかに対応する特別支援教育が二〇〇七
年に始 まった。しかし、障害児を分け隔てる基本的な仕組みは変わっていない。

 入学前の健康診断で障害が判明すると、教育委員会が特別支援学校・学級に行くことなどを決める。メイちゃんも特別支援学級へ、と区教委に
判定さ れた。本人や親に就学先の決定権はない。

 幼いころから健常者と苦楽を共にし自立して生きる力を養ってほしい。そんな願いから両親が直談判を重ね、入学を勝ち取ったのだ。ただし登
下校な どに付き添うことという条件が付けられた。

 三年前に日本が署名した障害者権利条約の理念に照らせば、障害児を判別して、学ぶ場を決める権利を奪うのは差別だ。

 批准に向けて法整備を検討している政府の障がい者制度改革推進会議は、障害の有無によらず、すべての子どもが地域の小中学校で学ぶのを原
則とす るインクルーシブ教育への転換を提言している。

 だが、政府の求めで教育制度の在り方を並行して協議中の中央教育審議会の専門家らは「教育環境が整わないまま子どもを同じ場に組み入れる
と混乱 する」などとして、後ろ向きの意見を近く集約する姿勢だ。障害者の人権を守ろうとの意識がすっぽりと抜け落ちた議論で、本末転倒だ。

 障害のある子もない子も社会に出れば支え合って生きる。育ち盛りに共に学んでこそ大切な知恵や思いやりが身に付く。


――――――――――

【参考】讀賣新聞 2010年12月31日 社説

●障害児教育 「共に学ぶ」環境作りは可能か●

 障害のある子どもが障害のない子どもと一緒に授業を受ける。そんな教室の風景を障害児教育の原則にしようという議論が、内閣府を中心に進
められ ている。

 障害の程度に応じ、特別支援学校などで専門教育を行ってきたこれまでの枠組みが、将来大きく変わることになるのだろうか。

 障害児と健常児が共に学ぶことを理念とする教育は、「インクルーシブ(包容する)教育」と呼ばれ、国連で採択された障害者権利条約にうた
われて いる。

 日本は2007年に署名し、現在、内閣府の「障がい者制度改革推進会議」が、批准に向けて国内法の整備を検討している。このほどまとめた
意見書 では、「お互いを尊重する土壌を形成する」と、その必要性を強調している。

 インクルーシブ教育は、多様性を認め合う社会を築く上で目指すべき方向ではあるのだろう。

 しかし、実現するためには、専門教員の養成や施設の充実、それに伴う多額の予算確保など課題が山積していることも確かだ。

 現在、障害の重い子は特別支援学校で専門性の高い教育を受け、比較的軽い子は、小中学校に設けられた特別支援学級で学んだり、通常の学級
に在籍 しながら、一定の時間、別の教室などで専門の指導を受けたりしている。

 仮に、障害のある子をすべて地域の小中学校で受け入れることになれば、担任を補助する教員や医療的なサポートをする看護師らの配置が必要
とな る。40人を上限とする1クラスの人数も大幅に減らさねば対応できないだろう。

 文部科学省の試算では、教員らの増員に2兆円、施設整備に10兆円のコストがかかるという。こうした条件をただちに整えることは難しいと
言わざ るを得ない。

 中央教育審議会の特別委員会は今月、現行の枠組みを維持する方向で意見を集約した。

 教育条件が大きく改善されない中で、個々の子どもの障害の状態などを考慮せずに同じ場で学ばせることは、「適切に教育を受ける機会を平等
に与え ることにはならない」との理由からだ。

 現行の専門的教育に対するニーズは高い。特別支援学校などの在籍者数は増え続け、教室が不足するところも出ている。

 一方、インクルーシブ教育導入による教室の学習環境の変化を懸念する教育関係者の声もある。

 その導入の適否については、現行の障害児教育を着実に充実させる中で、慎重に議論したい。
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Posted by 会員  at 16:05 │Comments(1)

この記事へのコメント
はじめまして。

私も障害を持つ子供の親です。
共に学ばせることに異論はありません。

ただし、必ずと言っていいほど
共に学ぶと近づく人もあれば
逃げ出す人が出てきます。

先生をはじめ、友達も親も。
一筋縄に行かないのです。


子供がどういう状況にいるのか、
そこにいることによって
まわりの先生や子供達に
どういう影響を及ぼすのか

またそれが、小学校、中学校と
歳を重ねるとどう変化していくのか

そういったことが山積みになっていて
結論を簡単に出せないし
出しても障害児にとって
最良の結果とはならない場合が
多々出てくると思われます。

だから、中日の論調も
読売の論調も どちらも
間違ってはいません。

その最大公約数をとるというなら
答えは簡単に出せます。

しかし、決め事を造ると
必ず次の問題が生まれるのです。

人間なんです。
正しい答えなどないのですから。
Posted by 山田 at 2011年01月06日 08:28
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