2010年03月21日

「学べるものはすべて学ぶ」

「学べるものはすべて学ぶ」

海ちゃんの記事が載った日の毎日新聞社会面です。
全盲の77歳の女子大生が岡山の短大を卒業して、2月に系列の4年制大学の編入試験に合格、4月から視覚障害者カウンセラーを目指して新たな挑戦に乗り出したそうです。
短大時代は、講義では、「パワーを分けて」と隣席がすぐに埋まるほどの人気だったそうです。


2009年度第2回公開質問状(公立高校のノーマライゼーションとバリアフリーに関するアンケート)
「香川県高等学校からの回答」
     の調査集計結果の考察


(平成22年2月26日、「申し入れ書」・「調査結果」に添えて、香川県教育長に提出。)

*障害児を普通学校へ全国連絡会・香川は
 15年前に結成され、たとえ障がいがあっても地域の普通小中学校へ就学をしたい親子を応援し、障がいのある子もない子も共に学び、育つ学校を目指して活動を続けてきた。
 多田羅洋介さんは(現在29歳、知的ハンディあり)約10年間、高校進学を目標に掲げてきたが実現しないままである。石川桃子さんは(現在20歳。知的ハンディあり)6年間高校進学に向けて挑戦している。すでに共に中学校を卒業した同学年の子どもたちは、高校を卒業して数年たっている。知的ハンディがあるということは、点が取れないため定員不合格となる状況に変化はない。
 なお、平成20年に教育委員会と話し合った「自己申告書」という件、入試の合否の参考にはなるものの、判定基準にはならないという点につき今後とも検討すべきと考える。

*知的障がい児の高校進学を求めてきたこれまでの活動は

1.受検した高校との話し合い
2.県教育長や高校教育課への要望や質問書状提出および話し合い
3.他都道府県の情報(障がい児の高校進学状況や高校生になってからの状況)を高校教育課へ提出し、問い合わせや視察を求めた。
4.ハンディがあっても高校生になりたい子どもに対する一般市民の応援として署名集め(たくさんの高校生が署名してくれた)をして高校教育課へ提出
5.県議会での質問
6.新聞やTV等マスコミを通じてアピール等、粘り強く続けてきた。

*今回のアンケートは32校から回答をいただき、4年前35校である。少子化で合併などされた高校などがある。4年前のアンケートの回答と比較し、そこからみえてきたこと(変わってきたこと、変わらないこと)を検討した。

*定員内不合格
 全日、定時制合わせて、17年度教育委員会へ確認した数61名にくらべ、今年度の確認数96名である。定員内不合格数は無回答の学校もあり、教育委員会への確認(無回答校あり)によると、96名である。少なくとも17年度と比べたら、かなり21年度のアンケートでは不合格数が増えている。障がい児の入学の問題とは別に少子化にあって、なぜ定員内不合格者がこのように増えているのか。たまたま21年度がここまで多いのか。健常児の不合格者が増えることは、障がい児の不合格に並んで問題と受け止められる。

定員内不合格を出した理由について
・学力検査、調査書、面接で総合的に判断
・「香川県高等学校入学選抜実施細目」に則り、教育を受けるに足る能力、適正等を総合的に判断と17年度と変わらない。
学力検査が判断の一つになると点が取れない子どもは進学できないままとなる。総合的に判断する手法が今後も課題ではないだろうか。また、教育を受けるに足る能力、適性等とは具合的に何を指すのだろうか。

*知的障がいを持つ子どもの高校進学について
 ほとんどの学校は、知的障がいがあるからといって、進学がはばまれるものではない、としつつもやはり選抜実施要綱に従い、教育を受けるに足る適性・能力が必要とする、と回答。

*バリアフリー
 17年度の調査対象では、エレベータ設置している高校は3校だったが、今回は6校に増えている。回答に基づけば、玄関用スロープがなかったがスロープを設置したり、増やしている学校数校がある。全体的に昇降口、体育館はかのスロープ、車椅子用トイレも増えている。バリアフリー化については、絶対に必要であり、大切である。機会をとらえて進めたいなどほぼすべての学校から積極的な意見が出ている。

*障がい児の推薦枠・特別枠の設置について
 県のレベルで考えることで学校が判断することではない、現状では困難である、考えていない、賛同しないという意見がほとんどである。2校のみが、人的・物的条件が整えば問題ない、もし設けた場合は、どのような選抜になるのかまたその後の扱いをどのように具体的にするか考える必要があると肯定的であった。設置が困難、賛同しないという理由に、入学者選抜は現時点では入学選抜実施要綱に従い、同一基準でなされている。公平のため、特別支援学校での教育の方向もある、などの理由による。
 同一基準でいいのか、公平性とはなにか、特別支援学校を選択しない親子がなぜいるのかという問題を理解していただけないと解決は難しいと感じる。

 アンケートから見えてきたものは、物的な面でのバリアフリーについては積極的であるが、結局点の取れない子どもは、能力、適性が足りないとされている。高校進学が困難なのは、物的なことでなく、子どもの能力・適性であると思われてしまう結果になっている、と言わざる得ない。点が取れなければ、進学がむずかしいとする17年度の調査と変わらない。

課題    同一基準 公平公正 能力  適性の定義とは

公正公平について
 ハンディを持つ子どもは、スタートラインが健常児と違う。「同一基準で行なうことが公平公正」とはいえない。そもそも平成9年11月には当時の文部省初等中等教育局長より入学者選抜について通知がある。

各高校教育を受けるに足る能力、適性等の定義
 能力、適性を「点がとれること」にしぼりすぎていないか。ハンディを持つ子にとって学ぼうとする意欲、人や物事の関心、友と高校生活を過ごしたいという意欲がそもそも、能力、適性にならないだろうか。。


 これらのことを教育委員会や学校内で討議、検討していただくことが必要でなかろうか。このままでは点がとれないと進学できないままである。
 特別支援学校を選択しないことについては、なぜそこを選択しなかということを理解していただく必要がある。特別な支援でなく、みんなの中で共に学び育つことを求める意義をこれからも伝えたい。
 なお、健常児の定員内不合格の多さをみると、県ぐるみで、障がい児にとっても健常児にとっても、なぜ高校教育が必要であるのか、教育を受ける機会を提供することの意義を鑑みなければ高校進学は困難であると思われる。




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