2011年07月06日
第15回総合福祉部会(6月23日)
障害連事務局FAXレター No.216
第2期作業チーム報告する
―ほとんど否定的、厚労省コメント、第15回総合福祉部会―
6月23日(木)第15回総合福祉部会が行われた。この日は第2期作業チームの報告であった。
はじめに選択と決定・相談の作業チームの報告を茨木座長が行った。「これまでの障害程度区分をなくし、本人計画に基づいた決定のプロセスにしていき、ガイドラインを作成し、市町村と折り合いがつかない場合は、そのガイドラインに基づいて、協議・調整していく」とした。また、それでも結論が出ない場合はこれからつくられるであろう差別禁止法制等を利用して、解決がはかられる仕組みが求められる、とした。
続いて、地域移行チームの報告が大久保座長から行われた。「単に空間的なものを指すのではなく、本人が選んで住まいを得る、ことが地域移行の本質だ」とした。そして、地域基盤の充実が何よりも求められる、とした。
それに対して、山本委員などからは「隔離収容政策そのものが問題であり、それを止めさせることが重要」と発言した。
3番目には地域生活の資源整備チームの報告を森座長が行った。「地域自立支援協議会の活性化や、24時間介護サービスの支援体制の確立、コミュニケーションや移動支援などのシームレスが支援の必要性」を発言した。
強度行動障害について質問があり、竹端委員から「シームレスな支援にもちろん含まれるもの」と答えた。
次に利用者負担チームの報告を田中座長が行った。「障害から発生する費用は無料とすべき。という考えでまとまった。障害から発生する費用とはコミュニケーション、相談支援などなども含まれる」とした。質疑では「高齢者との関連はどうなのか」という発言があり、同じグループの小野委員から介護保険制度導入を前提としない、介護保険優先を原則としない、という視点でまとめた、とした。
次に、報酬や人材確保チームから藤岡座長が報告した。
「福祉職員の給与を国家公務員並みとし、利用者個別報酬と事業所運営報酬の2本立てとし、日割と月割をミックスさせる」とした。
つづいて合同作業チームの報告に移り、就労チームの松井座長が報告し「賃金補てん制度と所得保障、あるいは合理的配慮など、今後の検討課題が多い」とした。
医療チームから堂本座長が報告をし「障害種別を問わず、どんなに障害が重くても医療が受けられるようにすべき」だとした。さらに費用負担については両論併記となった、とした。
精神科病床の在り方について、総合病院に基本置くかについては様々な意見が出された。
障害児支援チームから大谷座長が報告した。「基本的には一般施策の中で行うべきであるが、障害固有の問題については、それとは別に施策を作っていく必要がある。オンブズパーソン制度導入も必要」とした。
続いて第2期作業グループの報告についての厚労省としてのコメントを中島企画課長がした。「財源問題」「公平性」「他分野との整合性」「国民的議論の必要性」を強調していた。
それに対して「福祉部会と厚労省の溝が大きい」という指摘や「費用負担についての分析は的を得ていない」や「この部会が出来た経過を厚労省はきちんと認識しているのか、やる気があるのか」など鋭い意見が出された。時間がなく、厚労省からの回答はなかった。
施行調査についての報告や本調査の進め方について、責任者の平野委員から「施行調査は郵送だったため、回収率が著しく低かった。そのため本調査では、広報を強めると共に訪問して調査票を置いていくようにしたい」との提案があった。
しかし、拒否したい場合などの相談窓口等をめぐって、詰め切ることができず、保留となった。
最後に、8月30日までに骨格提言を作って行くことが佐藤部会長から明らかにされたが、「9月以降は厚労省任せにしてしまうのか」などの意見が出された。これに対して、東室長は「そのような考えは持っていない。具体的な進め方については検討したい」とした。
それにしても厚労省のコメントは、作業グループの考え方と隔たりが大きい。障害者制度改革・新法づくりの原点は、長妻前厚労大臣の「自立支援法廃止発言」であったことを忘れないでほしい。
次回は7月26日(火)
Posted by 会員
at 01:21
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