障害児を普通学校へ　全国連絡会・香川

「自分」を意識する仕方が変わる。
この「向かい合うもの」シリーズは、
自分の「一瞬のメモ」を解読しながら書いています。
同じころ、Naoちゃんママから、
次号のワニなつ原稿が届きました(^^)v
その内容が、あまりに「向かい合うもの」にぴったりなので、
お届けします(o|o)

（※　受験したNaoちゃんとは別の、中１のNaoちゃんです。
そう５人のアンパンマンのNaoちゃんママです）

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「おかえり！」　

「みんな勉強が得意なのに、なんでウチは苦手なんだろう」
と悩んでいるNaoにも、
学校で輝いている瞬間はたくさんあります。

３学期の体育はダンス。
授業で「チーバくんダンス（国体のキャラクターダンス）」
なるものをやっていて、Naoは今、燃えに燃えています。
家で曲を口ずさみながら振り付けの練習をし、
「明日の１時間目、体育～！」と、
待ちきれない様子です。


…別の日、
「演技って楽しい～！」
ストレッチはツラいけど、台本読みは好き。
時々サボることもあるけど、
演劇部はとても居心地がよく楽しいようです。

…また別の日、
「今日の給食、完食した～！」
食に執着しないNaoは省エネ体質ということもあって、
給食を食べないこともしばしば。
残さず食べたことに喜びを感じるようです。
　
授業にはついていけないけど、Naoにも輝ける瞬間がある。
幸せを感じる瞬間がある。
中学は連絡帳がないので、Naoの数少ない発言だけが頼り。
ひと言も聞きもらすまいと、
私はいつも必死に耳を傾けています。

実家の母は「Naoちゃん、授業中どうしてるの？　
『学校に行きたくない』って言わないの？」と心配しますが、
今学期もNaoは皆勤賞です。

授業参観に行けば、教科書もノートも出さず、
机の上には水筒だけがポンと置いてあります。

でもNaoは、中学１年生の今日しか受けることができない
大事な授業を、みんなと一緒に受けています。
毎日喜んで学校に行くNaoを見ていると
「授業が分からないことは、大したことではない」
ということがよく分かります。

家では、ほとんど私と２人きりのNaoも、
ひとたび家を出れば、通学路にはたくさんの人がいて、
学校に行けば１０００人もの人がいる！　
なにも机に向かうだけが勉強じゃない。
学校で起こる全ての出来事が、
Naoにとっては大事な勉強なんです。


「お母さん！ただいま！」

「おかえり！よく帰ってきたね！」

笑われるかもしれませんが、
帰ってきたNaoの笑顔を見ると涙が出そうになります。
「よく帰ってきたね」の言葉の裏には
「学校って楽しいことばかりじゃないよね。
でも、すべての出来事をなんとかやり過ごして帰ってきたんだね。
今日も１日よくがんばったね」という思いがつまっているのです。

４月にはNaoも中学２年生。クラスの仲間や、
階段がキツかった５階の教室ともお別れです。
長い人生の中で学生でいられる時間は短い。
この先、Naoが学生でいられるのも、
中学と高校を含め、あと５年あまりです。

あたりまえの日々はあたりまえじゃない。
学校に行ける幸せ、居場所がある幸せを、
私は毎日かみしめています。