2009年03月28日

『だれもしらない』 灰谷健次郎著

『だれもしらない』 灰谷健次郎著
 あとがきより 

 『だれもしらない』(絵 長谷川集平)は、わたしの短編集「ひとりぼっちの動物園」(あかね書房)の中におさめられているおはなしです。それをわざわざとりだして一冊の本にしたのには理由があります。

 世の中には、心やからだに障害をもっているお友だちがおおぜいいます。おおぜいといっても障害をもっていない人間のほうがはるかに多いので、ともすればわたしたちは障害をもっている子どもたちのことを、自分たちとはどこかちがった人間のように思いがちですが、障害をもっているからこそ、いっそうきびしい人生をおくっているのです。そのことは、わたしたちがその子どもたちをはげましていきているのではなくて、はんたいに、わたしたちがその子どもたちにはげまされているということを物語っています。

 しかし、ざんねんなことに、それに気がつくひとはすくないのです。それはわたしたちにとって、とても不幸なことです。

 この一冊の本が、そのことを考えるきっかけとなってくれることを、心よりいのっています。

                                        灰谷 健次郎




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