2011年02月14日

教育の世界の「障害児・者観」

教育の世界の「障害児・者観」

遅くなりましたが、先日水戸で開催されました「日教組教研」の報告メールが届いていましたので、紹介します。これが、今の特別支援教育の現状のようです。
分けない教育は、当然教師を分けないところから生まれてくるものだと思います。保護者としては、教職員のチームワークの良い学校創りをお願いしたものです。ニコニコ


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障害者権利条約批准・インクルーシブ教育推進ネットワークML
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山口です。
水戸の日教組教研に行ってきました。
いろいろありますが、やはりなんとしてでも「原則統合」を実現しないと…という思いを一層深くして帰ってきました。
まだまだ「分けた」上でのレポートが多く、自分の担任する「特別支援教室」の子どもをなんとか輝かせよとする「善意」のレポートが多いのです。
さらには「寄宿舎」で仕事する人たちも、インクルーシブを求めながらも矛盾の中に身を置いて苦しんでいるように私には見えました。
医療的ケアや高校問題など、懸案の課題も「原則的に分けない」という方向が定まれば解決の具体的な方向も見え始めます。
困難な課題であっても、多くの人が分けない方向で考えれば智慧は出るはずです。
とりわけ教員は、どのような方向にでも智慧を出す人たちです。
戦前の皇国教育も、多くの善意の教員たちがその方向で工夫し実践したのだと思います。

やはり「原則」は大事です。原則が分けるか分けないかで学校現場の雰囲気は3年経たないうちに変わると確信します。「特別支援教育」が実施される以前から、教育現場ではそれを先取りした動きが全国で見られました。今、書店の書架は「分ける特別支援教育」の本が花盛りです。「原則統合」が実現すれば、様相は一変するでしょう。
「上からの改革」といってしまえば気が重いですが、私たちが長い間悲願としてとりくみ続けた「分けない」ことです。この一年間はなんとしてもがんばりましょう。いろいろな提起をよろしくお願いします!


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◎分けない社会は、分けない教育から!!◎


下

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広島の松尾です。

 山口さん、全国教研、お疲れさまでした。

 私は、十数年ぶりの教研参加でしたが、毎年参加している矢賀さん(広島青い芝の会)から様子は聞いていましたので、特殊教育の「進化形」
にすぎ ない特別支援教育が、全国各地の学校現場を侵食している現実を再認識はできましたが、そんなに驚きませんでした。集会の中でも言い
ましたが、そも そも分離教育の中で育ってきて、障害者とまともに付き合ったこともない教員が、「特別支援教育の専門家」として期待される
立場で障害児と出会うわ けですから、圧倒的に情報量の多い、文科省寄りの「専門家」がまことしやかに垂れ流す「個別支援」のテクニックに
走るのは、当然のことです。そう して、「障害のある同世代の仲間と出会えなくさせられてきた」という意味で分離教育の「被害者」でもある
教員が、今度 は、分離教育の「加害者」として、子どもに向かわざるをえない立場に追い込まれているわけです。
 
 広島では、98年度、文科省の「是正指導」の名目で、従来行われてきた解放教育の実践が「運動団体による教育の中立性侵害」として、問答無
用の 形で掃討されていきました。それ以来、県教委が振りかざし続けているのが、「法令遵守」(いわゆる「コンプライアンス」)です。
 やれ、学習指導要領ではこうなっている、国の通知ではこうなっている、県教委の決めた基準ではこうなっている…と、そこから半歩でも外れ
たこと は一切許さないという、まるでギャグのような硬直した教育行政がまかり通っています。

 先般、県東部の特別支援学校の中間管理職の教員に、減給10%6か月という処分が下され、そのことが新聞発表されました。本来定員3人まで
と なっている重複障害児のクラスの子どもを、別のクラスの子どもと一緒に、日常的に授業を受けさせていた、というのが、処分理由です。
 このことについて、私と、私の職場の同僚が、相前後して、県教委に問い合わせの電話をかけ、問い合わせました。

 私は、特別支援学校を所管する特別支援教育課に電話し、「なぜこのことでここまでの処分が下されるのかがわからないので、説明してほし
い」と尋 ねましたが、応対した職員は、何度も「少々お待ちください」と、明らかに上司の指示伺いを繰り返しつつ、結局答えたのは「処分の
担当は教職員課な のでそこにかけてほしい」の一点張り。「それはそうだが、所管課としてもこの事実は把握しているし、処分理由にあたる行
為と認識しているのか?」 という問いには一切答えず、「あなたが答えられないのなら上司に替わってほしい」とお願いしても「替わることは
できません」。果ては、「業務に支 障をきたしますので、切らせていただきます」で、ガチャン、でした。
 あきれた私は、県庁の情報公開を担当する部署に電話し、事の顛末を伝えた上で、そちらから県教委になぜそのような対応をしたのかを確認
し、回答 してほしいと要請しました。
 しばらくして、情報公開担当窓口から電話。「県教委特別支援教育課の説明では、『担当課が教職員課であることをわかっていただきたいとい
う思い が強いあまり、あのような対応になった』ということでした」との回答をもらいました。

 同僚の方は、教職員課に電話し、私と同様に「なぜこのことがこれだけの処分に該当するのか、一県民の感覚からは理解できない」と、説明を
求めま した。しかし、教職員課は、ひたすら「ルール違反だから」と繰り返すばかりで、「学校現場の事情は聞いたのか? 教員の裁量は一切
認められないの か? 県教委として反省点はないのか?」との問いには答えず、しまいには「野球やサッカーにもルールがあるでしょう」など
と言い出す始末。

 ほんまに、おもろすぎるぞ!県教委!と、言いたくいなるほどのガチガチぶりです。

 こんな、昨今の「開かれた行政サービス」の流れから完全に取り残された、カワイソーな県教委を変える一番の早道は、県教委がまさに金科玉
条のご とく振りかざす「法令」そのものを、権利条約の理念に則った、インクルーシブ教育原則を軸にすえたものに転換することです。
 そうしたら、県教委は、まさにトップダウン方式で、インクルーシブ教育の実現に向け、「法令を守れ!」と、ガンガン教育現場を指導してく
れるは ず……なんてことは、ま、ないでしょうけど、少なくとも、これまでと同じことは、極めてやりにくくなるはずです。

 実は、文科省が怖れているのも、こういうことなのでしょう。

 インクルーシブ教育は、単に障害児を健常児の中に放り込めばよいというような、浅薄な理念に基づくものではなく、ユネスコの掲げる「万人
のため の教育」という枠組みの中で提唱されたもの。さまざまに社会的不利益を抱えているマイノリティーの子どもも含め、すべての子どもが
分け隔てられ ず、ひとりひとりに必要な「特別な支援」=「合理的配慮」を保障された上で、同じ場で共に学ぶことが、差別のない、平等な社
会を築いていくことに つながる、という、きわめて単純明快な道筋を示したもの。
 それが、連綿と続いてきた、「国家権力にとって価値ある有用な人材を育てる」という、日本の公教育のあり方、ひいては、社会のあり方をイ
ンク ルーシブなものへ大きく変える端緒にしなければなりません。

 日教組は、今回の教研のアピールで「教育福祉社会」を掲げましたが、このネーミングはともかくとして、競争に勝ち残った者だけが生き残る
弱肉強 食の社会(アメリカ社会がその成れの果て。堤未果さんの一連の著作を参照)から、みんなが「そこそこの幸せ」を分かち合う社会、何
があっても(失 敗しても)安心して生きられる、ゆるーい社会への転換を図るためには、「専門性」で細分化されている、教育、福祉、医療な
どの垣根を取り払い、 「すべての人が同じコミュニティーの中で、助け合いながら一緒に暮らすには、どうしたらいいのか」を、大きな視野で
知恵を出し合う仕組みを作って いく必要があるでしょうね。

 そこへ向かうためにも、何はともあれ、とりあえずの焦点は、今国会で提案される予定の障害者基本法改正案の行方でしょう。
 「ねじれ国会」という厳しい状況の中で、自立支援法の二の舞にならないように願うばかりですが、私たちも、それぞれの地元で、国会議員へ
のロ ビー活動をはじめ、できる限りのアクションを起こしていきましょう!
 





Posted by 会員  at 02:28 │Comments(0)

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