2008年03月07日
2003年7月12日発行NO.25『共に生きる』
<庭田忠正詩集より> 目 頭なんか関係ないよ 大切なのは目なんだよ
精一杯に 目の見えない人にしか見えないものがある。耳の聞こえない人にしか聞こえない歌がある。
むしろ何も知らない僕等はもっと強く精一杯に。
先生からのお手紙(小学校1.2年担任)
日増しに暖かくなり、春を感じるこの頃です。
二年間、本当にありがとうございました。私にとってちゃんと過ごせた二年間は、幸せだったと思います。ちゃんと接しているときは、教師対生徒ではなく、私という個人と個人のつきあいでした。「一人ひとりの子どもを見つめて」と言われますが、やはり集団の中では、こうあるべきと自分の価値を押しつけてしまいます。その中で
ちゃんに対しては「何がちゃんにとって大切で、優先させるべきか」と考えていたような気がします。(たとえば、ちゃんと目が合うときは、ニッコリしようとかちゃんのN0を大事にしようとか・・・)とは、言っても、それが、本当によかったかは、分からないことが多いし、おうちの方やちゃんの思いに応えていたかは、自信がありません。
ただ、3月23日に行った最後のお別れ会で、泣きじゃくっていたちゃんの手をちゃんの方から握り、教室へ帰って行った2人の後ろ姿が忘れられません。クラスの子ども達も私もきっとちゃんからいっぱい贈り物をもらっていたのだと思います。同封した五味さんの絵本は、季節はずれだなと思いましたが、登場する女の子がちゃんと重なって見え、選びました。ちゃんは今後、もっとたくさんの人にやさしさを分けてあげる女の子に成長していることでしょう。素敵な女の子になったちゃんに会える日を楽しみにしております。 平成10年3月
精一杯に 目の見えない人にしか見えないものがある。耳の聞こえない人にしか聞こえない歌がある。
むしろ何も知らない僕等はもっと強く精一杯に。
先生からのお手紙(小学校1.2年担任)
日増しに暖かくなり、春を感じるこの頃です。
二年間、本当にありがとうございました。私にとってちゃんと過ごせた二年間は、幸せだったと思います。ちゃんと接しているときは、教師対生徒ではなく、私という個人と個人のつきあいでした。「一人ひとりの子どもを見つめて」と言われますが、やはり集団の中では、こうあるべきと自分の価値を押しつけてしまいます。その中で
ちゃんに対しては「何がちゃんにとって大切で、優先させるべきか」と考えていたような気がします。(たとえば、ちゃんと目が合うときは、ニッコリしようとかちゃんのN0を大事にしようとか・・・)とは、言っても、それが、本当によかったかは、分からないことが多いし、おうちの方やちゃんの思いに応えていたかは、自信がありません。
ただ、3月23日に行った最後のお別れ会で、泣きじゃくっていたちゃんの手をちゃんの方から握り、教室へ帰って行った2人の後ろ姿が忘れられません。クラスの子ども達も私もきっとちゃんからいっぱい贈り物をもらっていたのだと思います。同封した五味さんの絵本は、季節はずれだなと思いましたが、登場する女の子がちゃんと重なって見え、選びました。ちゃんは今後、もっとたくさんの人にやさしさを分けてあげる女の子に成長していることでしょう。素敵な女の子になったちゃんに会える日を楽しみにしております。 平成10年3月
Posted by 会員
at 15:38
│Comments(2)
庭田忠正さんの作品に出会ったのは、今年高校3浪中の娘が中学校1年生の時でした。娘が通っていた学校図書館の支援員の司書の先生が、「良い本があるよ!」と紹介してくださいました。
庭田さんの人間を見つめる目は、澄んでいます。目に見えるものしか信じることが出来ないセンセイ達の増殖を防がなければなりません。「くずかごの中の詩」も読ませていただきます。ご支援ありがとうございます。