2009年03月09日
昨日のつづき~
〈答え〉・・・・・
かなり昔の話ですが、私が小学校の教員になって間もない頃、今で言えば「自閉症」と呼ばれたかもし知れないA君が入学してきました。入学式のときから大声で泣き、席にも落ち着いてすわっていられませんでした。
たまたま私がその子の担任になったのですが、学校生活が始まっても、プリントを配ればやぶいてしまうし、鉛筆をもたせばおってしまうしで、私もその子とどうやってつきあってよいか、全く分からない状態でした。周りの子どもたちも初めはその子の行動にびっくりしていました。
ところが毎日、生活を続けていくにつれ、子どもたちはその子に声をかけたりできないことを手伝うようになったりしていきました。初めこそ、ちょっと世話をやきすぎるかなという子もいましたが、やがてその子に対して何が必要かを考えていくようになり、たとえば、私がその子の着替えを手伝おうとすると、「先生、A君はそれは自分でやれるんだから、手伝ってはだめだよ」と逆にしかられたりしました。授業中、私が「国語の教科書を出して」と言ってもその子が何もしないでいると、元気の良い男の子が「お前も教科書だしな」と強く言い、言われたA君はびっくりして机の中から何かの本を出す。「違う!」と言われて、A君、あわてて別の本をひっぱりだす。と「それも違う!」そんなことを何回か繰り返してA君も少しずつ学校生活に慣れていきました。
A君に限らず、だれでも入学当初はいろいろ心配があるものです。いろいろ思わぬこともやります。でも、時間はかかるかも知れませんが、周りの子どもたちと生活する中で必ず子どもは変わっていきます。
もし、A君に介助員がいたらどうでしょうか。介助の仕方にもよりますが、周りの子どもたちは介助員がいることでA君に近づきにくくなってしまうかも知れません。担任も介助員任せにしてしまって、何もしなかったかもしれません。(どうして良いかわからなかった私ですが、いろいろ工夫して、A君がどうしたらみんなといっしょに勉強できるかを考えるようになりました。)
もちろん、担任一人では大変なときもあります。そのときは、「介助員」ではなく、誰か手があいている人に手伝ってもらってもよいのです。それを考えるのは、保護者ではなく学校です。学校でのことは学校に任せてみることからスタートされたらどうでしょうか。
Posted by 会員
at 10:54
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