2010年08月28日
③普通高校に絶対に入れない子を作り出すための計画
千葉県を香川県と置き換えて考えてみてください。
2010年から国は後期中等教育(高校)を受ける子どもたちに財政保障したというのに・・・・・。
自治体が、”シカト”する子ども(人)をつくってはいけません。
そういう状況は、県民、特に高校生の子どもたちや先生たち等に”障害のために入試で点数の取れない人”は高校教育を受ける資格がない人間と思い込ませ、そういう人たちは、そういう人たちが集まっている特別支援学校高等部でしか教育を受けてはいけないと思い込まされます。
その結果、心のバリアはいつまでたってもなくなりません
ワニなつノート~より
普通高校に絶対に入れない子を作り出すための計画(その3)
0点でも高校へ
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今月に入ってから、文章に「憎しみ」の感情が
強くなっていたのを感じて、
思うように文章が書けなくなっていました。
理由は自分で分かっています。
「高校」のことを書くときに、「憎しみ」の感情は強まります。
教育委員会も中学高校の教師全員が、
あまりにばかげたことを、子どもに強いているからです。
言葉に恨みや憎しみが強すぎると、
言葉が届かなくなることがあります。
伝えたいのは、私の恨みや憎しみではなく…。
そんな時期に、偶然『御巣鷹に生きる』を読み始めました。
25年前の事故以来、遺族をつなぐ活動をされてきた
著者の言葉を読みながら、自分の気持ちを考えました。
御巣鷹山墜落事故から今年で25年。
高校の運動が始まったのも1985年なので、今年で25年です。
航空機の事故で520人もの人がなくなった後に、
遺族として遺族を支える活動とは中身が違いますが、
周りに理解者がなく、孤立してただあきらめるしかないと
思いこまされる人とつながりたいという思いは
いっしょだと感じます。
「高校生になりたい」という1人の子ども思いは、
ただ「障害」があるといだけで、誰にも知られることなく、
受け止めてもらえることもなく、高校生になれることもなく、
忘れられています。
0点でも高校へなどとは、無理なことだと思われ、
子ども自身もあきらめるしかないと思わされているその中身は、
あまりに「ささやかな」思いです。
そして、あきらめきれない子どもにとっては、
あまりに悲しい希望として、そこにあり続けます。
そうしたことが「障害」のせい、
「点数がとれないから仕方ない」と、言われてきました。
けれど、それが「理由」だった時代は
とうの昔に終わっていました。
もう誰も、あきらめる必要もないのです。
だれも、そこで「人生の最初」、
義務教育を終えて始める場所で、
仲間同士、点数で分けられ、
親の経済力で分けられ、
家庭の事情で分けられる必要など、
もうまったくないのです。
2010年という年は、
15歳で高校に行けない子どもたちが、
もっとも希望を持てない仕組みを
思い知らせる始まりの年になりました。
そのことに社会が気づき、仕組みが変わるには、
あと何年、何十年、かかるでしょう。
今年から、「高校に行けなかった子ども」は、
今までより一層強い疎外感を、味わわされることになります。
なぜなら、この国は、子どもたちに、
次のようなメッセージを送りはじめました。
「高校の授業料を無償にします。
なぜなら、いまはほとんどの国民が高校教育を
税金で保障することを当然と考えているからです。
高校で学ぶことを希望する子どもみんなを支援します。
外国人であっても差別はしません。
イランもリビアも北朝鮮も区別はしません。
高校生、全員です。
障害児。
もちろん保障します。
むしろ、障害児の為にはどんなにお金がかかっても、
「希望者全入」です。
特別支援学校の高等部であれば希望者は全員高校生になれます。
100%です。
いまどき、高校に行かない子どもはいません。
だから、授業料も国が保障するのです。」
この状況の下で、高校に入れなかった子どもは、
どう生きていく道があるでしょう。
この状況下で、しかも「定員」が空いているのに、
不合格にされ、高校生になれなかった15歳の子ども。
その子は、どんなふうに自分に自信をもち、
自分の人生に希望を抱くことができるでしょう。
そのことを支えてくれる人がそばにいるでしょうか。
その困難な状況に、その子を支え、励まし、
高校にいけなくても大丈夫、お前の人生には希望がある、
だから、がんばれと、励ましてくれる人が、
誰かそばにいるでしょうか。
ここに千葉県の数字があります。
2005年の中学卒業生は《58215》人で、
そのうち「進学」した人数は、《56776人》でした。
5年前、千葉県では、《56776人》の
卒業生の進学先を用意してありました。
2006年の卒業生《54053人》
2007年の卒業生《54625人》
2008年の卒業生《53415人》
2009年の卒業生《53584人》
ふつうに考えれば、その後は、すべての中学卒業生の
進学を保障することができているはずなのです。
しかし、千葉県は、毎年、必ず、
「進学できない生徒」を計画する使命を果たしてきました。
2007年の明年度進学希望者《60人》
2008年の明年度進学希望者《61人》
2009年の明年度進学希望者《66人》
千葉の小学校、中学校で、大切に育ててきた
約5万4千人子どもたちの中から、たった60人の、
「絶対に高校に入れない子ども」を作り出す計画を、
誰が教育委員会に認めているのでしょうか。
私たち千葉県民、全員です。
やはり、私はこの数字と仕組みに、憎しみを覚えます。
たった60人の子どもを捨てる制度、
捨てる教育と呼ぶ以外に
なんと呼べるというのでしょう。
54000人の60人。
0.001%の子どもだけを捨てる制度。
難民。棄民。
村八分。シカト。無視。
これは、壮大な「葬式ごっこ」ではないのでしょうか。
Posted by 会員
at 07:20
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