2009年10月02日
「要望書」提出(from障害フォーラム)
特別支援教育課課長に教育長の代理で「要望書」を受け取っていただきました。
回答が楽しみです。昨日、9月30日午後”金色?!”の勝負服で知事&教育長に要望書を提出してきました。
知事への要望書(15項目)は山田県健康福祉部長に手渡し、教育長への要望書(10項目)は竹内特別支援教育課長に手渡しました。
この日は、午後2時前から県関係、10分の休憩を挟んで2時40分から教育委員会関係の要望書提出のおける話し合いが行われました。フォーラムの加盟団体会員ら約20人が県庁を訪問して、障害者や家族の声を政策に反映させてもらおうと直接意見を聞いていただきました。
後日、回答がいただけますので、また、報告させていただきます。
〔要望の趣旨〕
私ども香川障害フォーラムは、県内の各障害者団体・家族と個人が集い、県内の障害者団体等を中心に連携を図り、障害を持つ人の
差別禁止と権利に係る国内法制度の実現に寄与するとともに、香川県における障害者施策と障害を持つ人の権利を獲得することを目的
に、二00九年五月三十一日に結成されました。
わが国におきまして「障害者基本法」の制定をはじめ「障害者プラン・ノーマライゼーション七ヵ年戦略」の策定、「社会福祉基礎構造改革に関わる福祉八法の改正」及び「支援費制度」の導入など重要な施策がつぎつぎと打ち出され、さらに、二00四年には「障害者基本法」の基本的理念の中に障害を理由とする差別を禁止する規定が盛り込まれる改正が行われるなど、大きな前進が見られております。
しかし、車いすで自由に外出できない、手話通訳者派遣も本当に必要な時に情報保障が受けられなかったり、障害を理由に普通学校へ行けない、選挙へ行きたくても環境が整っていない等、すべての障害者が教育・雇用・就労・交通・街づくりなどの面で法律がないため、障害者の人権が侵されたり差別・虐待が相も変わらず起きています。
二00六年十二月、国連総会は「障害者の権利条約」を採択しました。この条約は世界各国の障害者団体のNGOも参加し主張が反映された条約であります。この「障害者権利条約」は、社会が、政府が「障害がどんなに重くても、生まれてきて良かった。生きていて良かった」といえる実質的社会を保障しなければならないというものです。日本政府も二00七年九月に百十四ケ国目にようやく署名しました。そして批准に向けてJDF(日本障害フォーラム)との意見交換会、国内セミナー等が行われております。一方で、国連障害者の権利条約推進議員連盟が超党派で発足され意見交換会が開催されています。このように、JDFは日本政府と交渉を進めています。その一方で、各地域でも障害者差別禁止条例制定に向けての運動が広がっています。
香川障害フォーラムは、教育・仕事・福祉・医療・交通アクセス・建物・参政・地域活などの中で、障害が理由でイヤな思いをしたり不便な思いをしたりすることが二度と繰り返されることのないように、県・市町村の政策に反映されますことを心から願い要望いたします。
<知事へ>
〔要望事項〕
一、ノーマライゼーションの高校教育充実のために、小・中学校・大学などで実施している当事者・保護者のための相談窓口を設置して下さい。
二、障害者が地域で自立して生活するために公営住宅への優先入居のほか、民間住宅を公営住宅として借り上げる制度を活用し入居促進を図って下さい。また、障害者等が入居可能な民間賃貸住宅についての情報を提供する「あんしん賃貸住宅支援事業」の普及、民間賃貸住宅を借りる際の公的な「家賃債務保証制度」についての拡充(対象者の拡大)を図って下さい。
三、精神障害者に対する偏見や差別をなくするために一般市民に正しい精神障害に対する認識と理解を深める啓発・広報活動をして下さい。
四、作業所の補助金を増額し、無認可作業所の補助金打ち切りを復活して下さい。
五、長期入院児童の病院内での居宅支援サービスが受けられるようにして下さい
六、障害者施設整備をする場合の条件に、「近隣の自治会長の同意及び隣接地権者の同意」が条件になっていますが、この「同意」は条件としないようにして下さい。
七、住宅の改造費を現物給付にし、補助の上限を上げて下さい。そして所得保障のため家賃補助をして下さい。
八、台風や地震などの災害時には、聴覚障害者などに配慮しFAXによる避難の連絡、避難先には電光掲示板の設置をして下さい。
九、自立支援法にある移動・輸送サービスを通学、通所時にも科用できるようにして下さい。
十、障害者団体(本人利用があるもの)利用のバスについての高速料金を半額にして下さい。
十一、手話通訳者を県外などに広域派遣が出来るようにして下さい。
十二、要約筆記奉仕員の派遣対象を個人だけでなく、団体行事に対しても派遣し同じように無料にして下さい。
十三、手話通訳者及び要約筆記奉仕員の派遣先を免許更新時や学校や教育現場にもさしむけられるようにして下さい。
十四、コミュニケーション支援従事者養成研修促進事業を実施して下さい。
十五、ボランティアではなく、プロの手話通訳士(者)養成のためのステップアップ研修事業を実施して下さい。
<教育長へ>
〔要望事項〕
一、ノーマライゼーションの高校教育充実のために、大学などで実施している、障害学生(Challenged)が健常学生と共に学び、学生生活を送れるよう講義保障を中心に支援を行う制度を整え、窓口として「障がい学生支援室」などのような機能を持った、セクションを高校教育課に設置して、当事者・保護者・教師のために活用できるようにして下さい。
二、地域福祉(障害児・者を社会の一員として受け入れる地域づくり)を充実させるために、障害児を地域の学校(普通学級)で受け入れ、インクルーシブ(クラスの一員として受け入れる)教育を提供できるサポート体制(合理的配慮)をつくって下さい。
三、特別支援教育は、障害児だけ別の教室で行うのではなく、みんなの中で教育できるように、特に配慮して下さい。(「障害者権利条約」第二十四条 教育五、合理的配慮)
四、聴覚障害を持つ成人、子供にもできるだけ一般健聴者と同じように教育を受けられるように配慮をして下さい。(普通校に通っている難聴児も多いです)
五、障害児とその家族が、地域の小中学校へ入学を望む場合、受け入れることを前提にして、人的配慮も含め環境整備を整える努力をして下さい。
六、必要な環境整備が整わないという理由で、入学を拒まないで下さい。
七、特別支援教育を望まない障害児に対しては普通学級での教育を保障して下さい。
八、強引な就学指導をしないで下さい。
九、高校教育(後期中等教育)において、障害種別(身体・知的・精神・発達障害)による差別的選抜を行わないで下さい。特に現在の選抜制度は、中学校からの調査書、適性検査の成績、面接の結果を資料として行われているため、知的障害児(者)は選抜されないシステムとなっているので改善して下さい。
十、地域の小中学校で障害児を受け入れるための環境整備の一環として先生方が実践校へ見学に行く等の研修をして下さい。
〔香川障害フォーラム加盟団体〕
きょうされん香川県支部
障害児を普通学校へ全国連絡会香川
香川県精神障害者家族連合会
全国障害者問題研究所香川県支部
福祉オンブズ香川
香川筋萎縮症患者を救う会
社団法人香川県ろうあ協会
香川県中途失聴・難聴者協会
全国脊髄損傷者連合会香川県支部
インクルージョン実践研究会
香川ハーネス
自立生活センター・高松
Posted by 会員
at 00:11
│Comments(2)
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すごい!
よくまとめあげたものですね。
健常と思っているものには
気づかないことをいろいろ気づかせて
いただいております。
骨抜きにならないように、細心の注意をはらいながらがんばります。
”仲良きことは美しい!!”